電池
ナトリウムイオン電池のポータブル電源は買い?リン酸鉄と重さ・寒さ・価格を比べて買う前に確認
公開・内容確認:2026年10月31日 / 運営:AI Mediaz
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この記事の結論
- 日本で買えるナトリウムイオン電池のポータブル電源は、確認できた範囲ではBLUETTI「Pioneer Na」(900Wh・2026年1月27日発売)の1機種です。
- リン酸鉄(LFP)と比べた強みは氷点下での充電・放電。弱みは同じ容量で約1.7倍重く、定価ベースで1Whあたりが高いことです。
- -10℃を下回る場所で充電する人以外は、今はリン酸鉄で十分。寒冷地の屋外・無暖房の車内で使う人だけ、比較候補に入れる価値があります。

※数値はメーカー公表値と発表会の報道によります(2026年10月31日確認)。低温時の60%充電制限は発表会の報道に基づくため、購入前にメーカーへ確認してください。購入前に必ず公式ページと取扱説明書で型番ごとの仕様を確認してください。
ナトリウムイオン電池のポータブル電源はもう日本で買える?
買えます。BLUETTI JAPANが2026年1月27日に「Pioneer Na(パイオニア・エヌエー)」を発売しました。メーカーはナトリウムイオン電池を使ったポータブル電源として世界初とうたっています。
BLUETTI Pioneer Na の主な仕様(メーカー発表)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 電池 | ナトリウムイオン電池 |
| 容量 | 900Wh |
| 定格出力 | 1,500W(電力リフト機能で最大2,250Wの家電に対応) |
| 充電できる温度 | -15〜40℃(発表時の説明では、-10℃以下は容量の最大60%まで充電) |
| 放電できる温度 | -25〜40℃ |
| サイクル寿命 | 4,000回以上(残存容量70%まで)/10年の耐久設計 |
| 重量・サイズ | 約16kg/約340×247×317mm |
| 急速充電 | AC最大1,400W、ソーラー最大500W(同時入力で最大1,800W〜1,900Wの表記あり) |
| 価格 | 通常価格166,000円(税込)。発売記念セール(2026年1月27日〜2月27日)では99,800円 |
現在の販売価格・在庫は公式ストアで確認してください。公開時に価格欄を取得できなかったため、比較の計算にはメーカー発表の通常価格を使っています。
なお、エレコムは2025年3月にナトリウムイオン電池のモバイルバッテリー(9,000mAh、放電-35〜50℃)を発売していますが、こちらはスマホ向けで、家電を動かすポータブル電源とは別の製品です。
ナトリウムイオン電池とリン酸鉄(LFP)の違いは?
現行のポータブル電源はほとんどがリン酸鉄リチウムイオン電池です(電池の種類の基本は「リン酸鉄(LFP)と三元系・サイクル寿命の読み方」で解説しています)。ここでは、同じ定格1,500Wクラスのリン酸鉄モデル、Jackery「1000 New V3」と並べます。
| 比べる点 | ナトリウムイオン(Pioneer Na) | リン酸鉄(Jackery 1000 New V3) |
|---|---|---|
| 容量 | 900Wh | 1,024Wh |
| 重量 | 約16kg | 約10.6kg |
| 1kWhあたりの重さ(計算) | 約17.8kg | 約10.4kg |
| 充電できる温度 | -15〜40℃(-10℃以下は60%まで) | -10〜45℃ |
| 放電できる温度 | -25〜40℃ | -10〜45℃ |
| サイクル寿命 | 4,000回以上で70% | 約6,000回で70% |
| 定価 | 166,000円(通常価格) | 109,800円(公式ページの取り消し線価格) |
| 定価の1Whあたり(計算) | 約184円 | 約107円 |
※1kWhあたりの重さ・1Whあたりの価格は、公表値を割り算した比較用の概算です。セール価格は変動するため、購入時の価格でも計算し直してください。
重さ(エネルギー密度)はどれくらい違う?
同じ1kWhを持ち運ぶと、ナトリウムイオンは約7kg重い計算です。ナトリウムはリチウムより重く、電池にためられるエネルギーが少なめなのが理由で、BLUETTIの発表時にも「若干大きく重くなる」と説明されていました。
電池メーカーのCATLは2025年4月、セル単体で175Wh/kgのナトリウムイオン電池を発表し「LFPに匹敵する」としています。セル単位では差が縮まりつつありますが、今、店で買える完成品では、まだリン酸鉄の方が軽いというのが実際のところです。
低温性能はどれくらい違う?
ここがナトリウムイオンの一番の強みです。Pioneer Naは-15℃で充電、-25℃で放電できます。発表時の報道では、-25℃でも容量の80%を保つと説明されていました。
ただし、リン酸鉄も進化しています。Jackery 1000 New V3は公式ページの製品説明で、充電・放電とも-10〜45℃に対応すると書かれています。つまり差が出るのは-10℃を下回る環境です。しかも発表会の報道ではPioneer Naも-10℃以下では60%までの充電とされるので、「真冬の屋外でも満充電できる」わけではありません。
寒さと充電の関係は、「北海道の冬の停電とポータブル電源」でも詳しく整理しています。
サイクル寿命は長い?
「ナトリウムイオン=長寿命」と言われがちですが、ポータブル電源同士で比べると、現時点ではリン酸鉄の方が長い表記の機種もあります。Pioneer Naは4,000回以上(70%維持)、Jackery 1000 New V3は約6,000回(70%維持)です。
回数を365日で割った単純計算ではどちらも10年以上ですが、実際の寿命や保証期間を意味するものではありません。比べるときは回数だけでなく「何%残る基準か」をそろえて読んでください。
安全性は上がる?
ナトリウムイオン電池は熱暴走や発火が起きにくい、燃えにくいと、エレコムやCATLなどのメーカーが説明しています。一方で、リン酸鉄もすでに三元系より熱に強い電池として広く使われています。どちらも「燃えない電池」ではありません。高温の車内放置や落下、水濡れを避ける点は同じです。
価格はなぜ高い?
ナトリウムはリチウムのような資源の偏りがなく、JST(科学技術振興機構)の研究課題紹介でも資源面の利点が挙げられています。将来の値下がりは期待されていますが、今の完成品は定価で1Whあたり約184円と、リン酸鉄の約1.7倍です。量産が進む前の新技術の価格と考えてください。
ナトリウムイオンのポータブル電源はどんな人に向く?
寒冷地で屋外・無暖房の物置に置く人
-10℃を下回る場所(-15℃まで)で充電したい人には、日本で確認できたナトリウムイオン機としては唯一の選択肢です。リン酸鉄機でも充電の下限温度は型番ごとに違うので、候補の公式仕様もあわせて確認してください。ただし約16kgあるので、置きっぱなし前提で考えましょう。
冬の車中泊をする人
エンジンを止めた車内は、真冬なら氷点下になります。夜通し電気毛布を使い、朝に車内で充電し直す使い方なら、低温充電の強みが活きます。ただし重さは積み下ろしの負担になります。車中泊の容量の考え方は「車中泊のポータブル電源」を参照してください。
防災用に1台備えたい人
暖房のきいた室内に保管・充電するなら、低温性能の差はほぼ出ません。同じ予算でより大容量・軽量なリン酸鉄を選ぶ方が合理的です。停電2〜3日に必要な容量は「停電対策・防災のポータブル電源」で計算できます。
ナトリウムイオンのポータブル電源は今買うべき?待つべき?
| あなたの使い方 | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| -10℃を下回る(-15℃まで)屋外・車内で充電する | 今買う候補に入れる | Jackery 1000 New V3など充電下限-10℃のリン酸鉄機の公表範囲外 |
| 冬の車中泊を月に何度もする(寒冷地) | 比較して検討 | 低温に強いが約16kgの重さを許容できるか |
| 室内保管の防災用 | リン酸鉄でよい | 低温の差が出ず、軽くて安い |
| 夏キャンプ・日帰りが中心 | リン酸鉄でよい | 高温側の上限はリン酸鉄(45℃)の方が広い機種も |
| 持ち運びが多い・女性や高齢者が運ぶ | 待つ | 同容量で約7kg重い |
| 新技術を安く買いたい | 待つ | 選択肢が1機種で、価格はセール次第 |
「待つ」の目安は、国内で2社目・3社目の製品が出て、価格や重さを比べられるようになったときです。今の時点では他社の日本発売は確認できていません。
今買うなら、リン酸鉄で寒さ対策が書かれた機種を選ぶ
寒い季節に使うけれど-10℃を下回る場所で充電はしない、という人は、公式に低温での充電温度が書かれたリン酸鉄モデルを選べば足ります。Jackeryは型番ごとに充電温度・使用温度を公式ページに載せているので、「New」「V3」など似た名前の機種を取り違えないよう確認しましょう。
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Jackery公式ストアで型番ごとの充電温度・仕様を確認する
※申し込みにより当サイトに報酬が発生する場合があります。価格・保証・キャンペーン条件は公式ページで確認してください。
ナトリウムイオンとリン酸鉄、比べるときのチェックリスト
- [ ] 充電できる最低温度はいくつか(使用温度と混同していないか)
- [ ] 低温時に充電できる上限(%)の制限はないか
- [ ] 1kWhあたりの重さを計算したか(重量÷容量)
- [ ] サイクル寿命は同じ残容量基準(70%か80%か)でそろえたか
- [ ] 価格は定価とセール価格のどちらで比べているか
- [ ] 定格出力が使いたい家電の消費電力を上回るか
- [ ] 保管場所の冬の最低気温・夏の最高気温を把握しているか
- [ ] 保証年数・修理窓口・廃棄方法をメーカーに確認したか
よくある質問
Q1. ナトリウムイオン電池のポータブル電源はどこで買える?
2026年10月31日時点で確認できたBLUETTI「Pioneer Na」は、BLUETTI公式サイトで販売されています。ほかの販売店の取り扱いは公式で確認してください。
Q2. ナトリウムイオンなら真冬でも満充電できる?
できません。Pioneer Naは-15℃まで充電できますが、発表時の説明では-10℃以下は容量の最大60%までです。満充電したいなら室温に近い場所で充電しましょう。
Q3. リン酸鉄より長持ちする?
機種によります。Pioneer Naは4,000回以上(70%維持)、リン酸鉄のJackery 1000 New V3は約6,000回(70%維持)で、現時点ではリン酸鉄の方が長い表記もあります。
Q4. 防災用ならどちらがいい?
室内で保管・充電するなら、軽くて1Whあたりが安いリン酸鉄が向いています。寒冷地で暖房が止まった家を想定するなら、低温充電に強いナトリウムイオンも候補になります。
Q5. これから安くなる?
資源面では値下がりが期待されていますが、時期や価格は分かりません。国内で他社製品が出るまでは、セール価格の変動に左右されやすい状況です。
Q6. 飛行機に持ち込める?
容量の大きいポータブル電源は持ち込めないことが多いです。電池の種類にかかわらず、利用する航空会社の規定を必ず確認してください。
※本記事は2026年10月31日時点のメーカー公表値・報道をもとにした比較用の情報です。仕様・価格は変わることがあるため、購入前に必ずメーカー公式ページと取扱説明書で確認してください。
参考資料
公開時の確認日:2026年10月31日。資料の公開日・対象時点は各リンク先をご確認ください。
- BLUETTI公式 Pioneer Na 製品ページ(定格1,500W、4,000回以上、10年、入力1,900W、表示価格)
- BLUETTI JAPAN プレスリリース「Pioneer Na」2026年1月27日発売(900Wh、定格1,500W・電力リフト2,250W、充電-15〜40℃・放電-25〜40℃、4,000回以上で残存70%、約16kg、166,000円、1,900Wハイブリッド充電、発売記念価格99,800円)
- PC Watch「Pioneer Na」発売記事(サイズ340×247×317mm、価格、発売日)
- 家電Watch「Pioneer Na」発表記事(-10℃以下では充電容量の最大60%まで)
- PHILE WEB「Pioneer Na」発表記事(AC入力最大1,400W、-25℃で容量80%維持との説明)
- Jackery公式 1000 New V3(1,024Wh、1,500W、約10.6kg、LFP、約6,000回で70%、充電・放電-10〜45℃(製品説明文。仕様表に温度記載なし)、取り消し線価格109,800円・確認時点の販売価格82,350円)
- Jackery公式 1000 New(1,070Wh、1,500W、約10.8kg、LFP、約4,000回で70%、通常価格119,800円)
- エレコム ニュースリリース ナトリウムイオンモバイルバッテリー(9,000mAh、放電-35〜50℃・充電0〜40℃、約5,000回)
- CATL プレスリリース(2025年4月23日、Naxtra 175Wh/kg・LFPに匹敵と説明・-40℃で使用可能な出力の90%を維持)
- JST GteX 蓄電池領域 研究課題紹介(ナトリウムイオン電池:資源制約がない、高エネルギー密度化・長寿命化・低温性能が研究課題)
買った後の手間まで、先に考えておこう。